2012/09/08

アンリ・ルルーの新作発表会 VOL.1

先日、「アンリ・ルルー」の新作発表会にお招きいただき
会場となる青山へ行ってきました!


建物の2階へ上がると、まるで誰かのおうちに呼ばれたかのような
素敵な空間。大きな白いテーブルにはお花が飾られ、
その色とリンクするような一口サイズの試食がセッティングされていました。


















今年のテーマは「デクリネゾン」。
料理用語としては、「1種類の素材にさまざまな調理法をほどこし、
バラエティに富んだ表現方法を示す」という意味。

たとえば「苺」という1つの素材を、ショコラにしたり、キャラメルにしたり、
アイスやコンフィチュールにしたり・・・・と様々な表現で
その広がりや違いを楽しむのです。

これは、総合的に表現できる技術や幅の広さがあってのこと。

どんな広がりが体験できるのか、とてもわくわくした気持ちで試食に臨みました。

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まず1品目はFRAISE POIVREの「ショコラ」。


その名のとおり、苺と胡椒のショコラです。

断面をチェックすると、ガナッシュの層と赤いパートドフリュイの層、
2層になっていることがわかります。
口の中に入れると、まずガナッシュが溶け胡椒の香りが広がります。
次にパートドフリュイの味わいに移り、苺の甘い味、そして
最後にダークチョコの味で終わります。

「時間差」による味の立ち上がりを考えて作られた一品。


次は「苺と胡椒」のキャラメル。

テーマは同じでも、まったく違う胡椒の香りに気づきます。

こちらで使われている胡椒は、ネパール産のフルーティーな胡椒で
グレープフルーツのような香りが特徴とのこと。
私は個人的には、日本の「山椒」に近い印象を受けました。

ピリ辛ではなく、鼻に抜ける爽やかな香り。


























そして、苺と胡椒を「コンフィチュール」でも表現。






















こちらも、ネパール産の胡椒が使われていて爽やかな印象。
キャラメルと同じく山椒のような感じを受け、
肉料理に合わせたら面白そう、そんなインスピレーションが生まれる一品。


このように、同じ素材、同じテーマでも、表現するアイテムにより
違う味わいを楽しむことができ、ルルーさんが意図する「デクリネゾン」を
体験することができました。

とはいえ、単なる同じ素材を使った横並びの広がりではなく、
スパイスの使い方や、舌触りなど、それぞれの商品に合った工夫を加えているので、
「3次元の奥行」といえるような広がりを感じます。


個人的には、甘いコンフィチュールをパテなどお肉料理に合わせるのは
高度な技だと思って、なかなか身近なものではなかったのですが、
実際に合わせてみると“目からウロコ”でした。
これは実際にやってみないとわからないな~というのが正直な感想。

おいしいコンフィチュールに、おいしいパンとおしゃれなパテがあれば
おもてなしメニューにぴったりかも。(もちろん、それに合うおいしいワインも!)